【キャタピラー】 Caterpillar
日本 2010
監督 若松孝二
プロデューサー 尾崎宗子
脚本 黒沢久子 / 出口出
出演 寺島しのぶ / 大西信満
篠原勝之 / 小倉一郎 (声) 他
映画で描かれてる雰囲気だとか、この監督の作風が想像ついてたので後回しにしてた作品ですが、やっと鑑賞いたしました。 ・・・と言うか、観てからかなりの時間が経ってますが。
ストレートなメッセージと作風でしたね。
当時の映像を挿入しながら、最後のクレジットでは日本、アジアのみならず、グローバルな数字を前面にぶつけて映画を閉めている。
四肢を失くし、聴覚と声さえも奪われ帰還した夫・久蔵 (大西信満) ですが、これまた強烈な有様を見せてくれています。 旺盛な食欲と性欲、身体の自由を奪われた人間がここまで本能に忠実なのかと思うところ。
しかしそれに比例して、戦争中に行った非道の罪に押しつぶされ苦しむ様子が哀れ。
「生ける軍神」に祭り上げられた久蔵をリヤカーに乗せ村を回る妻しげ子 (寺島しのぶ)。
そのしげ子の行為は、戦争と言う蛮行に対するシニカルすぎる行為だと感じます。
そのしげ子の行為は、戦争と言う蛮行に対するシニカルすぎる行為だと感じます。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』 の複雑に絡み合った心理描写とは打って変わって、ともすれば野暮ったくストレートさが鼻に付きそうな恐れをあえて選んだこの作風は、さすが若松監督であると思います。
そのアツさは変わりない。
そのアツさは変わりない。
寺島しのぶの感情豊かな演技が絶賛されたのはもちろん同意なんですが、それ以上に久蔵を演じた大西信満が素晴らしい。 この2人の役者の演技は相乗効果を生んでますよね。
で、関係ないのですが、自分「キャタピラー」と聞けば、つい「マイトガイ小林旭」を思い出してしまいます。
・・・あ、違った、あれはトラクターか。