【AFFLICTED アフリクテッド】 AFFLICTED アメリカ・カナダ 2014
監督・出演:クリフ・ブロウズ / デレク・リー
(第38回トロント国際映画祭 審査員特別賞 第46回シッチェス映画祭 最優秀特殊効果賞)
(第38回トロント国際映画祭 審査員特別賞 第46回シッチェス映画祭 最優秀特殊効果賞)
トロントとシッチェスの映画祭で話題になった「体験型SFスリラー」だと言うので、ちと興味を持ち鑑賞いたしました。まぁ、まったくのノーマークだった作品なので、DVDのジャケット説明程度の前知識だったワケなんですけどね。
監督と主演を務めたのは劇中の役名もそのままの2人、クリフ・ブロウズとデレク・リー。
若手映画人の間では盛んに取り入れられてる撮影手法POVで製作された一作ですね。
ドキュメントチックに進行する物語が、さらにリアルさを出すのがPOVの特徴でもあるんだけど、何より制作費用が安くつくのが嬉しいところですねぇ。
話は、親友同士の2人デレクとクリスが世界中を旅して、各地の映像をブログにアップする計画を始動させるワケです。
でもデレクは深刻な脳の病気を抱えてて、それを覚悟の上での旅になるワケなんですよね。
ヨーロッパに渉ったところまでは良い旅だったワケですが、フランスのバーでデレクが出会った女性のせいで一転。
想像を絶する出来事が待ってる・・・という筋書きなんです。
映画は中盤から自分が予想してた展開とは良い意味で食い違ってて、「なるほど、そっち系かぁ~」ってな意外性もあったんですよ。
観る前は、主人公が何らかの超能力を手にいれ(まぁ超能力には間違いないけど)、ちょっとしたスペクタクルな盛り上がりになるのかなぁ~、っと思ってました。
だから、ここではネタバレを書きますね。
観ようと思った方はネタバレは読まないほうが楽しめると思うので、そのおつもりで・・・。
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この映画は "ヴァンパイア映画" でございます。
デレクがバーで口説いた女性は吸血鬼でして、ホテルの連れ込むなり噛まれたワケです。
その後、デレクはまともに食事も出来なくなり、体のあちこちに異変が起こり、太陽の日差しに当たれば肌が火傷を起こしたり、超人並の運動能力を手に入れたり etc。
その変わっていくデレクの変貌を友人のクリフがビデオに撮り収めていくワケ。
でもヴァンパイアなので血が吸いたくてたまらなくなるのは仕方ない。
人間性を失いつつあるデレクの悲しみと葛藤を記録していくと言うのも面白いところです。
比較的に「POV=低予算映画」というのが当たり前ですが、最近のPOVも脚本や演出、撮り方でずいぶんエンタメ性もアップしてますね。
ヴァンパイアという古典的なテーマ性も維持しつつ、現代感覚溢れた内容は面白く観れましたよ。先に書いたように意外性もあったので飽きることなく観れました。
ただこういう手法の映画は苦手な方も多いと思います。
映像がぶれたり、単一なアングルに面白味が感じられない方も居ると思います。
本作としては、そのあたりを踏まえつつ最大限に工夫を凝らした映画作りがなされてると思うので苦手な方にも受け入れられる・・・と、思うんだけどっ。
ホラーやスリラー好きな方だったら一度観て頂戴。