【ヴァルハラ・ライジング】 VALHALLA RISING デンマーク・イギリス 2009
監督・脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン 出演:マッツ・ミケルセン / マールテン・スティーヴンソン 他
『ドライブ』 でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞したニコラス・ウィンディング・レフン監督の一作です。
こちらは 『ドライブ』 ('11) の前作にあたる作品ですね。
北欧神話をベースに、独自の世界観でみせるバイオレンス映画とも言える作品でしたよ。
主演のワン・アイを演じるのは、『007 カジノ・ロワイヤル』 でボンドにタマタマ責めをしたマッツ・ミケルセン。
あのル・シッフル役も印象的でしたねぇ。
今年はカンヌで男優賞を受賞 ( 『The Hunt (原題)』 ) した事もあり、今ノリにノッてる俳優さんだと思います。
まずですね、この作品、ある程度の予備知識を持ってみた方が良いと直感したんですよ。
DVDジャケットに書かれてある "北欧神話がベース" と言うのを読んでたせいもあって、ちょっとその "ヴァルハラ"キーワードだな、と感じまして・・・。
"ヴァルハラとは、北欧神話における主神オーディンがアース神族の国アースガルドに建てた「戦死者の館」。
古ノルト語では 「倒れた戦士の住居」 の意味で、バイキングたちは勇敢な死を遂げてヴァルハラに迎えられることを名誉と考えていた"
古ノルト語では 「倒れた戦士の住居」 の意味で、バイキングたちは勇敢な死を遂げてヴァルハラに迎えられることを名誉と考えていた"
鑑賞前に、↑この文言を頭に入れておくだけでも、観てる時の理解度が相当違ってきますよ。
普通に観てたら、なんのこっちゃ意味不明な難解度の高い一作だと思います。
舞台は11世紀のスコットランド。 ・・・と言うか、作品上ではこの地名も時代も説明されておりません。
独眼の奴隷戦士ワン・アイ (ホントは名前もない、だって喋らないから) は闘犬のごとく賭け試合で戦う毎日。
そんな自分をさげすんだ部族に逆襲するべく、斧を手に殺戮を開始。
脱走したワン・アイは、同じ奴隷で生き残りの少年アー (マールテン・スティーヴンソン) を伴ってある地を目指し旅に出ますが・・・。
と言う感じのストーリーなんですが・・・。
その映像と世界観は唸らされる程の独自性なんですよ。
バイオレンス描写はあるにはあるけど、ギリギリのところでエグさを抑えてるし。
カメラワークと演出でバイオレンスシーンが美しいぐらい。
でも、そのバイオレンスシーンも前半の少しだけ。
あとは、ある部族と共に辿る、物言わぬワン・アイの旅です。
この部分で言うなら、ストーリーや娯楽性などなんのその、観る側を置いてけぼりにし兼ねない話。
物言わぬワン・アイだけに、"静" の雰囲気なんですが、その中に充満する動性と言うか、激動さは満点。
こうやって感想を書いてても、そのイメージが伝わりにくいかと思われますが、これは万人受けする作品じゃないのは確かですよ。
個人的には、その世界観だけでも (映像も含め) 観てみる価値はありました。
とりあえず、ニコラス・ウィンディング・レフン監督は凄いっ、と言うコトで・・・。