【ヒトラーの審判 アイヒマン、最期の告白】 EICHMANN イギリス・ハンガリー 2007 (未)
監督:ロバート・ヤング 製作:カール・リチャーズ 脚本:スヌー・ウィルソン 撮影:マイケル・コナー
出演:トーマス・クレッチマン / トロイ・ギャリティ / フランカ・ポテンテ / スティーヴン・フライ 他
監督:ロバート・ヤング 製作:カール・リチャーズ 脚本:スヌー・ウィルソン 撮影:マイケル・コナー
出演:トーマス・クレッチマン / トロイ・ギャリティ / フランカ・ポテンテ / スティーヴン・フライ 他
ナチス・ドイツによる "ユダヤ人問題の最終解決策計画"、いわゆるヨーロッパからユダヤ人を根絶やしにする虐殺計画の重要ポストに抜擢されたアドルフ・アイヒマン (親衛隊中佐) の尋問記録を基に、アイヒマンの人となりと戦時中の行動を描いた一作ですね。
このアイヒマンは戦後バチカン・ルートによってアルゼンチンへ逃亡します。
アルゼンチンにはナチス関係者が多く身を隠していたことから、このアイヒマンも "リカルド・クレメント" と名を変え逃亡生活を続けていました。
アルゼンチンにはナチス関係者が多く身を隠していたことから、このアイヒマンも "リカルド・クレメント" と名を変え逃亡生活を続けていました。
しかし1961年5月、イスラエルの諜報機関モサドの特別チームによってアルゼンチンで拉致・逮捕され、翌年の'62年6月に絞首刑に処せられました。 死刑廃止を定めてるイスラエルにおいてただ一人、このアイヒマンが死刑受刑者ですね。
個人的に昔からモサド関連の著書を多く読んできて、このアドルフ・アイヒマン拉致逮捕作戦もそこから知った訳なんですよ。 その経緯が映画にも描かれてるかな? と思い鑑賞してみた次第なんですが。
「私はただ上官の命令に従っただけだ」
尋問中、淡々と語りだすアイヒマンの姿は "ただの中年男"。
当初、ユダヤ人の最終解決は銃殺だったんですよ。
処刑に立ち会ったアイヒマンは、あまりの惨さに逃げ出したと言うからその小心さが伺えます。
処刑に立ち会ったアイヒマンは、あまりの惨さに逃げ出したと言うからその小心さが伺えます。
しかし多くのユダヤ人を効率よく大量虐殺する方法である "焼却所付きガス室" を提案したのが、このアイヒマンなんです。 殺害を直接目にすることなく、死体は同じユダヤ人を使って焼却処分するという心理的負担の軽減策を考え出したんですよねぇ。
アイヒマン自身はその振り分け作業、ユダヤ人を強制収容所に輸送する書類にサインする役目を果たしてた訳なんです。 ご存知のように、それで犠牲になった人数は約600万人。
この映画は主にアイヒマンの戦時中と逮捕後の尋問シーンを描写した作品でした。
派遣先のハンガリーでユダヤ人女性の愛人を持っていた事実。
ガス室で使う事になった "チクロンB" を提案した事実 etc...。
ガス室で使う事になった "チクロンB" を提案した事実 etc...。
興味深い事柄も描かれてましたが、如何せん映画として焦点が定まってない物語になっている事が残念。
トロイ・ギャリティ演じる、アイヒマンを尋問する役目をおったアヴナーの葛藤も中途半端。
アヴナーの妻を演じるのはフランカ・ポテンテ。(ユダヤ人役と言うのが、これまた)
アヴナーの妻を演じるのはフランカ・ポテンテ。(ユダヤ人役と言うのが、これまた)
トロイ・ギャリティは、あのジェーン・フォンダを母に持つ役者さんですねぇ。
アイヒマンを演じるトーマス・クレッチマン共々、キャスト的には興味深いし面白いモノがあったんですが。
アイヒマンを演じるトーマス・クレッチマン共々、キャスト的には興味深いし面白いモノがあったんですが。
アイヒマン自身の人間性に重点を置くか、アヴナー家族 (ひいてはユダヤ人全体) の苦悩に重きを置くか?
ちょっとつかみ切れないまま映画が終ったような感じです。
ちょっとつかみ切れないまま映画が終ったような感じです。
でもトーマス・クレッチマンの演技は良かったです。