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バビロンの陽光

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【バビロンの陽光】 SON OF BABYLON イラク・イギリス・UAE・フランス 他 2010

監督・脚本・撮影:モハメド・アルダラジー  製作:イザベル・ステッド  脚本:ジェニファー・ノリッジ
出演:ヤッセル・タリーブ / シャーザード・フセイン / バシール・アルマジド

   http://img5.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56328769_13?1337192718


イラク人映画監督モハメド・アルダラジーが自国のクルド人を主人公に撮りあげた一作。

話はイラク戦争開戦の真っ只中、2003年フセイン政権が崩壊して3週間後のこと。
クルド人の老婆は、かつて湾岸戦争で戦地へ赴いた息子を探すため、12歳の孫アーメッド (ヤッセル・タリーブ) を伴って、はるか900キロ彼方の地ナシリアを目指します。

クルド語しか喋れない祖母はアラビア語が喋れる孫のアーメッドを通訳にして、やっとバグダットまで辿り着く。
目指す土地ナシリヤへはここから乗り合いバスで行かなければならないのですが・・・。


サダム・フセイン政権時、国なき民クルド人への弾圧は国際的に非難の的でしたが、国際社会においてもその全貌が計り知れなかったのも事実。 この作品ではフセイン政権崩壊によって明らかになった事実を知らせます。

音楽家を目指していた息子は行きたくもない戦争に駆り出され (湾岸戦争)、消息不明。
当時アーメッドが生まれた時は戦地だったため、自分の息子の顔さえも知らないまま。

母親 (アーメッドの祖母) は息子がナシリアの収容所に居る事を知らされ、いてもたっても居られず孫を伴って900キロ彼方への旅に出ます。

旅の始めはヤンチャだった12歳のアーメッドは、ナシリアの地で自分の父親の消息がつかめない事を機に次第に大人の顔に変わっていきます。 祖母を守らなければならないと言う気持ちが息づき始めるんですよね。

旅は過酷です。 乗り合いバスもポンコツで故障してばかり。
ナシリアでは共同墓地を巡って息子を捜し求める旅に変わります。

イラクでは映画産業もないから、撮影機材もそういう環境もない。
ロケはまさにイラクの地で、アルカイダによる誘拐、米軍による拘束などの撮影妨害を受けながら撮ったと言うコトです。 これをイラク人監督が撮ったと言う事だけでも意義のある作品。

何百万と言う単位で明らかになるクルド人弾圧の事実は、聞いて知っていてもやはり衝撃の事実です。

少年アーメッドのクローズアップで終る物語はまだ果てがないように感じる次第でした。


   http://img5.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56328769_14?1337192718

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