司会のビリー・クリスタル
さてさて今年も第84回アカデミー賞授賞式が開催され、無事閉幕となった次第ですね。
自分、毎年のように雑感を書き綴っているので、とりあえず今年の雑感などを。
作品関係の詳しいことなどは数いる評論家さんや映画サイトなどで解説されるから、それは省いていきます。
まぁ、残念ながら仕事で授賞式の様子は観れて無いし、今の時点では作品の多くは日本公開も待機中。
と言うコトで、結果に照らして思い付いた事を・・・。
作品賞、監督賞、主演男優賞などで主要部門を含め5部門制覇となったフランス映画の 『アーティスト』。
同じ本命視されてたマーティン・スコセッシ監督の 『ヒューゴの不思議な発明』 は技術部門で同じく5部門受賞。
どちらにしても作品の時代設定が同じで、映画への愛がテーマの主題となってるので、早く言えばどっちが作品賞を獲ってもおかしくない。
かたやフランス映画、かたやフランス人をモデルにしたアメリカ映画。
オスカーファンと言うか、TV中継を観てるアメリカの視聴者は 『ヒューゴ~』 の方に肩入れした事と思いますが。
でもアカデミー協会員が選んだのはフランス映画の 『アーティスト』。
フランス映画としては初の作品賞受賞と言う快挙なんですよね。
ノミネートの際、サイレント映画で劇中にフランス語が入ってないのが幸いしましたよね。(笑)
先に書いたように、今年はどちらが獲ってもおかしくない争いだったと思います。
要は、両作品ともアカデミー賞向きなテーマだし。
しかし昨年の 『英国王のスピーチ』 に引き続き、外国の映画に栄冠を与えたと言うのがポイントですよね。
近年のハリウッド映画界の主流は、続編ものか外国映画のリメイク、そして3D映画の乱発。
興行的には成功なんでしょうが、ネタ不足は深刻ですよ。
アカデミー協会員の、「これで良いのか?」 と言う自虐の声が受賞結果に反映された気もします。
・・・ま、良い筈がありませんよね。
いずれ、・・・と言うより、もう行き詰まりを見せ始めてるハリウッドだから。
この 『アーティスト』 なんかは、ホントならアメリカ映画が作っててもおかしくないでしょ。
サイレントからトーキーに変わり行く時代のハリウッドが舞台だし。
以前チラッと書いてるけど、映画を発明したリュミエール兄弟はフランス人です。
だからフランス映画が製作してもおかしくないと言えばそうなんですが。
それを先にやられてしまうハリウッドがイタいですよね。
今の時代にサイレント映画なんてメジャー会社が許さなかったんだろか?
それとも、そこまでの原点回帰なアイデアが浮かばなかったのか?
インディペンデント作品の方が数段質の高いテーマで挑んでますよ。
どちらにせよ、華やかな授賞式とは裏腹にハリウッド映画界の危機が以前にも増して感じられた結果でした。
『アーティスト』 で主演男優賞受賞のジャン・デュジャルダン