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シリアスマン

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【シリアスマン】 A SERIOUS MAN 2009

監督・製作・脚本・編集:ジョエル・コーエン / イーサン・コーエン 撮影:ロジャー・ディーキンス
出演:マイケル・スタールバーグ / リチャード・カインド / フレッド・メラメッド / サリ・レニック 他

   http://img4.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141184_23?1327830619


監督主義プロジェクト」の一環で撮られた、コーエン兄弟の作品。

観るからに、肩の力を抜いて楽しんで製作された感覚を受けるんですが、それゆえコーエン節満開とも言えますよね。 それがアカデミー作品賞・脚本賞候補になっちまうんだから、恐るべしコーエン兄弟です。

アメリカ中西部ミネソタ州のユダヤ人コミュニティを舞台に、ユダヤ人の大学教授ラリー (マイケル・スタールバーグ) を見舞う不条理な災難を、可笑しく皮肉を込めて描いたコーエン兄弟満開作。

この舞台はコーエン兄弟が少年の頃過ごした土地だそうですね。

主人公ラリーはきわめて平凡な男。
このラリーの心配事は大学側が終身雇用を認可してくれるかどうか。
そして13歳の息子ダニー (アーロン・ウルフ) の成人の儀式も気になる。

そんなところに嫁さんから突然の離婚宣言。
奥さんの相手の男は同じコミュニティの住人。
どう見ても奥さんの浮気が原因なんだけど、ラリーは家を追い出される。

そんな不条理な難題は他にも。

落第点の中国人学生からは強引にワイロを渡されるわ。
隣家の住人は土地境界線を無視して暴走を始めるわ。

そんな災難を、このラリーは自ら招いて来るもんだから笑うしかないのですね。

コミュニティでは絶対の存在である僧侶ラビへの皮肉めいた描き方もポイントかな。

手を差し伸べる存在であるはずが、実際のところは神の教えを曖昧に説くだけ。
駆け出しの若いラビの助言の方が的を得てる、ってもんでして。
そうなりゃ、ホントに神なんて居るのか?

こんなコーエン兄弟のシニカルさはもはや独壇場と思えるものであります。

暗雲立ち込める唐突なラストも、オチを期待してはいけないと分っている監督だから許せるのでしょう。
ブラック&ユーモア、不条理、滑稽、日常、などのキーワードをこれほどまとめ上げる才能はコーエン兄弟ならではなのですから。

ラリーを演じたマイケル・スタールバーグは舞台俳優の方らしいのですが、日本では知名度の低いキャストばっかだったのが良かった。 インディペンデントのニオイも満喫できました。

   http://img4.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141184_24?1327830619

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