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浮き雲

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浮き雲】 KAUAS PILVET KARKAAVAT フィンランド 1996
監督・製作・脚本:アキ・カウリスマキ 出演:カティ・オウティネン / カリ・ヴァーナネン 他
 
 
 
 
 
 
アキ・カウリスマキ作品の登場人物は市井の人々、いわゆる庶民ですね。
そこに暮らす人々のドラマを撮りあげてるんですが、本作は特に明快なドラマとして仕上げてたように思います。
 
作品を通じて、同じテーマに、同じキャスト。
こういう点においても、カウリスマキ監督には小津安二郎の影響があるように思えます。
 
でもカウリスマキ・スタイルなんですよね、やっぱ。
どっちかと言うと無表情で、あまり喜怒哀楽を表現しない演技スタイルなどは、他の監督には真似できない(あえて真似しない?w)シュールさが信条ですねぇ。
 
 
レストランの給仕長イロナ(カティ・オウティネン)と電車運転手ラウリ(カリ・ヴァーナネン)は夫婦なんですが、共に同時期にリストラで失職。
 
次の職が見つからず前途多難な頃、イロナは元同僚らと共にレストラン経営の目標を見出しますのですが。
 
ストーリーはいたってシンプル。
 
頑張り屋の妻と、どんな状況でもプライドを保ち続ける夫。
リストラの憂目に遭いながら、夫婦ともに手を取り合って生き抜こうとするんです。
 
事態は深刻で暗い設定なのに、カウリスマキ監督にかかったらそれが微塵もない。
時折ぶち込んでくるユーモアと、最後に待ってる希望への道筋を期待しながら、ある意味淡々とした感覚で観れますね。
 
そしてやっぱ、底辺に流れるトーンは人情なのかも。
カウリスマキ・スタイルの人情ドラマは、シュールなんだけど穏やか・・・ですかねぇ。
 
 
 

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